30代女性のAさん うつ病

*以下の事例はいくつかの実例を組み合わせた架空の事例です。

相談概要

専門職に就いている30代女性のAさんは男性との付き合いがうまくいかないことがきっかけでうつ病になられました。

カウンセリング内容

  • 一生懸命に何事も行わなければならないという気持ちが強い。
  • できない人間と他人に思われたくないという感情が強い。
  • 男性に拒絶されることを恐れすぎてしまう気持ちが強い。
心理療法経過

心理療法の中で分かってきたのは、Aさんは女手一つで自分を育ててくれた母親の影響が強く、できない自分が人に知られることをとても恐れ、一生懸命頑張ってこられたということがわかってきました。

Aさんはなんにでも全力を挙げないといけないと思うし、また実際にそのようにやってきて成功してきたことに強いプライドを感じておられました。 その性格により、男性と付き合うとその男性に拒絶されることをとても恐れるようになり、全力で男性と向き合い過ぎて結果的に関係が破綻してしまうことを繰り返されていました。

心理療法の面接の中でも、初めの頃は、自分一人で「正しい心構え」に変わらなければならないと一生懸命取り組まれていましたが、セラピストが「正しい答え」がわかっているのに教えてくれないという不満があることを率直に話される中で、「正しい答え」などはないし、話し合って一緒に考えていく中で自分にとって良いと思う「答え」が少しずつ得られていくことを実感されていきました。

そのような中で、Aさんはうつ状態から回復し、仕事も前のように完璧にできないとだめと思わなくなり、進めていくという感覚を持つようになられました。

そして、ある男性と出会い、以前とは異なるパートナー関係を築いていけるようになられ、出産を機に、心理療法は終了となりました。